「逃げ出すことは、恥ずかしいことじゃありませんよ」
そう私は、仕事を辞めることを決めたお客さんに伝えました。その方は、「職場から逃げ出すように辞める私は恥ずかしい」と、自分を責めて苦しんでいたのです。
しかし、その方には辞めるに足る事情があり、辞めるまでにも大変悩んでいました。だからこそ、私は次にこう伝えました。
「長年、大変な職場で頑張ってきたんです。そこでうつになったりして、それすらも乗り越えて、やっと自分を大切にしようと思えて、こうして退職できた。それでいいじゃないですか。自分を褒めてあげてくださいね」
退職できたこと、たくさん努力してきたこと、新しい道に進もうとしていること。それらを「誇らしいこと」と思ってほしかったので、そう伝えたのです。
最大の味方は、あなた自身
多くの人が悩み苦しむのも、自分らしい道に進んでいけないのも、【自分自身を認めてあげられないこと】に起因します。
頑張っている自分。辛いことを抱えている自分。思うように動けない自分。仕事から逃げ出してしまう自分。そんな自分を「こんなんじゃいけない」と思ってしまい、かけがえのない自分自身を否定してしまう。
本来、最大の理解者であり、唯一無二の味方であるはずの自分が、そうではなくなってしまっている。
その結果、さらに苦しんだり、余計に悩んだりしてしまう。…仕事がうまくいかず辛いこと以上に、自分自身を信じられないことのほうが、ずっと苦しいものなのです。
「こんな恥ずかしい自分を誰にも見せられない」
そう思い、誰にも相談できなくなってしまうことも少なくありません。
そして、自分のことをわかってあげられないことで、本来持っている力や、自分らしい人生を棒に振ってしまうこともあるのです。
転職を50回も繰り返した過去
私自身も、退職を決めた方と同じように、仕事から逃げる自分を許せなかった時期がありました。転職ばかり繰り返して仕事が続かない…そんな自分のことを「ダメなやつだ」と責めてばかりいました。
しかし、今思うと、そんな時期があったからこそ今の仕事に出会えたのです。妻ともこの仕事を通して出会い、娘たちも生まれました。つらい仕事や自分に合わない職場から逃げ出したからこそ、本当にやりたい仕事に進むことができ、同じように仕事に悩む人に向けて「逃げていいんですよ」「必ず心からやりたいと思えるものに出会えます」と、心から伝えられる自分になれたのです。
潜在力を生かすためにも、仕事は楽しくなくちゃ!
仕事はとても大切なものです。生活するためには、お金が必要ですし、自分らしく生きてやりたいことを実現するためにも、お金は欠かせません。だからこそ仕事は必要なのですが、仕事=辛いものになってしまったら、人生の楽しさが半減してしまいます。
だからこそ、嫌な仕事や合わない仕事からは、さっさと逃げ出してほしいと思います。嫌な仕事を続けることは、大切な自分を認めないのと同じくらい辛い行為ではないでしょうか。
人は楽しいときにこそ、本来持っている力を発揮できるものです。
楽しいとき、人はやる気になります。 嬉しいとき、良い考えやアイデアがひらめきます。 充実しているとき、人に優しくなれます。 心地よい感覚に包まれるとき、ストレスを感じません。
気分が良いとき、同じような気分の良いことを引き寄せる——これは、宇宙の法則でもあります。
だからこそ、ぜひ仕事だけでなく、あなたにとって【気分が良くなること】を大切にしてください。どんなことをしているとき、どんなことを考えているときに心地よさを感じるか、自分自身に問いかけてみてください。
そうして自分の幸せを知り、幸せな選択をすることが、人生をより良くする鍵となるのです。
