コーチを志す人へ、こんなセッションはうまくいかない

 
昨日に引き続いて、コーチングのお話し。
※昨日はこんなお話でした。
 
これはコーチング初心者でなくとも
陥ってしまいがちなことなのですが
 
●自分がアドバイスできそうな
相手のダメなところを探してしまう
 
と、うまくいかない場合が多いです。
 
 
こういったセッションをしてしまうと
依存的で自分から行動しないお客さんが多くなり
 
結果が出づらくなります。
 
 
コーチングを進めていくうえでの意識としては
 
 
1.相手の現状をニュートラルに受け止める
2.きちんと今出ている感情を相手に味あわせる
3.そのうえで、「どうしたいか」を本人から引き出す
 
 
こんな感じです。
 
そもそも相手の現状を否定して
ダメ出しをしている段階で
 
それはコーチングではありません。
 
 
コーチングは相手の中から
正しい答えを引き出さないといけないわけです。
 
 
そしてその正しい答えは相手の中にすでにあるわけですが
 
「こうでなければいけない」
「これをやらねばだめ」のような
制限付きの思考や、辛い感情によって、
 
本心=本当はどうしたいかの素直な気持ちが
覆い隠されているから
 
クライアントはなんだかすっきりせずに
モヤモヤしていて
 
どうしたらいいかわからず
コーチに助けを求めてきているわけです。
 
 
なので、大切なのは
 
 
●相手の感情(本心、素直な気持ち)を引き出すこと
 
 
結果、どうすべきかの思考(具体的な行動策)は
自然と伴ってきます。
 
そしてその行動はほぼ確実に成果が出ます。
 
 
そのためのコーチングなわけです。
 
 
そもそも、人が思うように動けなくなるのは
ほぼ質の悪いダメ出しによってです。
 
「そうやるとうまくいかないよ」的な
相手を上手くいかせることを前提とした
ダメ出しならいいのですが
 
「そうだからお前はダメなんだ」的な
人格否定にまで及ぶようなダメ出しを繰り返し受けると
 
心に大きな制限が生まれ、
 
人生そのものがとにかく
うまくいかないことの連続になりやすいです。
 
(幼いころの家庭環境に問題があると、
こうなってしまうケースが多いですよね。)
 
 
なので、まずはとにかく
傷も痛みも嫌な自分もぜんぶひっくるめて
 
現状を「受け入れる」
 
メンタル系のセッションは特に
そこからはじめてください。
 
 
ビジネス系でも
現状否定ではじめると成果が出にくいので
 
現状の頑張りをきちんと認めたうえで
更なる高みをめざすコーチングを心がけましょう。
 
 
 
◆相手を「ダメだ」と思うのは、
そこに「自分の心の制限」があるのだと
自覚すべし
 
 
 
とにかくコーチに求められるのは
いかにニュートラルであるかです。
 
 
あれはダメこれはダメ、
 
「こうしなればいけない」
「こんな自分はダメだ」
 
そんな様々な制限に縛られて
不自由になっているクライアントの心を
 
本来の素直な状態に
解き放っていくのが仕事です。
 
 
ビジネス系は一概に言えませんが
特にメンタル系はこのためにやってるわけですから
ここをぶらしてはいけません。
 
 
しかしコーチ自身が
 
あれダメこれダメ
せねばやらねばの
不自由なメンタルで生きていると、
 
冒頭で書いた、現状否定からの
セッションになりがちです。
 
 
ゆえにコーチに求められるのは
 
あらゆることに向き合いきった、
安定したメンタル
 
心に制限のかかっていない
ニュートラルな状態です。
 
 
言ってしまうとコーチ自身に制限が
かかっている部分については
 
そのコーチはクライアントに貢献ができません。
 
 
コーチの腕を左右するのは
 
コーチ自身がどれだけ自分の人生と
本気で向き合ってきたかに尽きます。
 
 
◆自分の感情を注意して感じながら、セッションを進めよう
 
 
自分の感情は自分だけのものです。
 
しかし世の中のほとんどの人は
相手の感情と自分の感情を切り離せていません。
 
 
自分がツラくなると「相手のせい」にして
相手がつらい思いをしていると
「自分のせいじゃないか」と思う。
 
特に日本人はこの傾向が強いように思います。
 
アドラーで言う、課題の分離が
できていない状態に近いです。
 
 
もちろん人情とかそういうレベルの話なら
いいんですが
 
 
コーチは課題解決のプロであるべきなので
ここを混同しては良いセッションはできません。
 
 
 
コーチ側も、セッションをしているときに
さまざまな感情が出てきます。
 
コーチ自身、セッション中に辛くなる時が多々あるんですね。
 
これは自分の心が相手の話に反応している状態です。
 
 
そしてその感情はコーチ自身の感覚であり、
相手とは全く関係がないものです。
 
 
自分がしんどいから、辛いから、
だから今目の前にいる相手には問題がある。
 
解決しなきゃ!
 
 
……は、絶対にやめましょう。
 
 
ちなみに自分が辛いのを解消するために
相手を何とかしようとする状態をなんというか
 
そう、「共依存」ですね。
 
 
一番最初に書いた
 
●依存的で自分から行動しない人が来る
 
というのは、要するに
 
 
相手のダメだし=コーチングだと勘違いしていると
 
自分の制限において相手をコントロール
しようとしている状態なので
 
(だって自分がアドバイスできそうな
相手のダメなところを探している時点で
 
コーチがクライアントに依存していますでしょ)
 
 
結果、お互いに依存しあってしまい
コーチングどころか、人間関係すら
 
うまくいかないよっていう話です。
 
 
……さて、かなり深い話になりましたが、
「へー、そうなんだ」くらいに
思っていてくださればと思います(笑)
 
 
私も今年、何百人とセッションして来て思いましたが
一番大切なのはとにかく実践です。
 
真心こめてセッションしていれば
実力もつきますし
 
お客さんだって自然と増えていきます。
 
せっかく学んだコーチングスキル、
役に立てていきましょう。